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色覚多様性に配慮したデザイン設計:誰にでも伝わるWebを目指して

2026.01.06(TUE)

導入:あなたのWebサイト、本当に全ての訪問者に伝わっていますか?

Webサイトを訪れるユーザーは、実は多様な見え方をしています。
日本人の約8%が色覚多様性(いわゆる色盲・色弱)を持っているといわれており、グローバルに展開しているサイトなら、その割合はさらに高くなります。

「色が少し違って見える」程度と思うかもしれませんが、赤と緑が区別できない方にとって、重要な情報が「赤いボタン」と「白い背景」だけで表現されていては、そのボタンが見えません。
つまり、多くのサイトは無意識のうちに、全ユーザーの一定割合に情報を届けられていないのです。

企業のWebサイトは、顧客への最初の接点です。
コーポレートサイトやブランドサイトが色覚多様性に対応していないと、機会損失につながるだけでなく、企業のイメージにも影響します。

本記事では、色覚多様性に配慮したWebデザインの実装方法と、その重要性について解説します。

色覚多様性に対応することで得られるメリット

色覚多様性への対応は、単なる「優しさ」ではなく、ビジネス上の重要な施策です。

アクセシビリティの向上は、Webサイト全体の使いやすさを改善します。
色だけに頼らない設計にすることで、色盲の方だけでなく、高齢者や弱視の方、さらには画像が読み込まれない低速環境のユーザーにも対応できます。
結果として、より多くのユーザーにサービスを届けられるようになります。

SEO効果の向上も見逃せません。Google は、アクセシビリティの高いサイトを評価する傾向が強まっています。
WCAG 2.1(Webコンテンツアクセシビリティガイドライン)に準拠したサイトは、検索ランキングにおいても有利になりやすいのです。

ブランド価値の向上も期待できます。
企業が多様性を大切にする姿勢は、現在の消費者に強く評価されます。
色覚多様性に配慮したデザインは、企業のCSR活動の一環として機能し、ブランドイメージを高めます。

色覚多様性の種類と特徴

まず理解しておきたいのが、色覚多様性は単一ではなく、複数の型があるという点です。

**P型色覚(赤色弱視)**は最も一般的で、赤色の認識が弱くなります。
赤と緑、赤と茶色などの組み合わせが区別しにくくなります。
**D型色覚(緑色弱視)**も同程度の頻度で見られ、緑色の認識が低下します。
一方、**T型色覚(青黄色弱視)**はより稀ですが、青と黄色の区別が難しくなります。

実際のWebサイトでの影響を考えると、重要な情報を「赤文字の警告」「緑色のチェックマーク」などで表現していると、対応者にはその情報が正しく伝わりません。
これが離脱やコンバージョン率の低下につながるのです。

色覚多様性に配慮したWebデザインの5つのポイント

1. 色だけに依存しない情報表現

最も重要なのは、色だけで情報を伝えないことです。
例えば、エラーメッセージを赤文字だけで表示するのではなく、「❌」などのアイコンや「エラー」というテキストを併用します。

フォーム送信時の「必須項目」も、赤色だけではなく「*」記号とテキストを組み合わせます。
グラフやチャートも同様に、色分けだけでなく、パターン(斜線やドット)やラベルを追加することで、誰にでも読み取れるようになります。

2. 十分なコントラスト比の確保

文字と背景のコントラスト比は、WCAG 2.1では「通常のテキストで4.5:1以上」が推奨されています。
黒文字に濃いグレー背景など、デザイン性を求めるあまりコントラストが低いと、高齢者や弱視の方だけでなく、晴れた日の屋外でスマートフォンを見ている多くのユーザーにも読みにくくなります。

実際のチェック方法は、オンラインの「コントラストチェッカー」ツールで色コードを入力するだけで簡単にわかります。
デザイン制作の段階からこの基準を意識することが重要です。

3. 区別しやすい配色の選択

赤と緑の組み合わせ、青と紫、淡い黄と白など、色覚多様性がある方には区別しにくい配色があります。
代わりに、青とオレンジ、または青と黄色といった組み合わせを使うと、より多くの人に見分けやすくなります。

デザイン制作の際は、「カラーユニバーサルデザイン」の原則に従った配色パレットを選定することが効果的です。
また、Adobe ColorやWebAIMなどのツールを使い、デザイン案を色盲シミュレーションで事前チェックすることも推奨されます。

4. テキストラベルとアイコンの組み合わせ

ボタンやナビゲーション要素は、色だけでなく、テキストラベルやアイコンを併用することが重要です。
例えば「次へ」というボタンを右向き矢印アイコン + テキスト + 色(例:青)で表現することで、どの表現方法からでもユーザーに意図が伝わります。

ステータス表示も同様です。注文状況を「未完了は灰色、処理中は黄色、完了は緑色」で表現するのではなく、「未完了:灰色 + ●、処理中:黄色 + ◆、完了:緑色 + ✓」というように複数の情報の組み合わせで表現します。

5. 段階的な情報設計

Webサイト全体の構造も、色覚多様性への配慮を考慮して設計することが大切です。
重要な情報ほど、色の依存度を低くします。
逆に、装飾的な要素は色による区別が多くても構いません。

ヒートマップやデータビジュアライゼーションは特に注意が必要です。
データを複数の色で細かく分類する必要がある場合、パターンやテクスチャも併用することで、より正確に情報が伝わります。

実践ステップ:あなたのWebサイトを色覚多様性に対応させる

ステップ1:現状診断
まず、現在のWebサイトをカラーシミュレーションツール(無料のものが多数あります)で確認しましょう。
Photoshop や Figma にも色盲シミュレーション機能があります。

ステップ2:配色の見直し
赤と緑の組み合わせを使用している箇所を洗い出し、より区別しやすい色に変更します。
同時に、コントラスト比も測定し、基準を満たしているか確認します。

ステップ3:アイコンとラベルの追加
重要な情報を表現している色のある要素に対して、テキストラベルやアイコンを追加します。
フォームやボタンから始めるのが効果的です。

ステップ4:テスト実施
実際のデバイスで、異なる色覚を持つ人に使ってもらってテストすることが理想的です。
社内でも、オンラインのアクセシビリティツールで自動チェックを実施できます。

ステップ5:ドキュメント化
新しい設計ガイドラインを作成し、今後のサイト更新時にこれらのルールが守られるようにします。
WordPress運用の場合、テンプレートレベルで色覚多様性への対応を組み込むことで、継続的な対応が実現できます。

まとめ:色覚多様性は、全員にとって良いデザイン

色覚多様性に配慮したWebデザインは、決して「特定の人のための」ものではありません。
それは、より多くの人に情報を届け、サイト全体の使いやすさを高める、普遍的に優れたデザインなのです。

日本人の8%が色覚多様性を持つという事実は、あなたのWebサイトを訪れる何十人、何百人ものユーザーが、その配慮なくしては不便な思いをしているかもしれないことを意味します。
企業のコーポレートサイトやブランドサイトにおいて、これはビジネス機会の損失であり、同時にCSRの課題でもあります。

色覚多様性への対応は、一度きりの施策ではなく、サイト運用を続ける限り、継続的に考慮すべき要素です。
特にWordPressを使用している場合、テンプレートの段階で設計ガイドラインを実装することで、今後の更新作業も効率化します。

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