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Gitで管理するWeb制作:複数人での開発を安全に進める基本

2025.12.31(WED)

Web制作チームの「あるある」な課題

「誰がどこを編集したかわからない」
「前のバージョンに戻したいのに保存していない」
「同じファイルを複数人が同時に編集してしまった」——。
複数人でWebサイトを制作していると、こうしたトラブルは日常茶飯事です。
特にWordPressサイトの開発では、デザイナー、コーダー、ディレクターがそれぞれ異なるファイルを触るため、管理が煩雑になりがちです。

こうした問題を解決するのが「Git(ギット)」というバージョン管理システムです。
本記事では、Web制作の現場でGitをどう活用すれば、安全かつ効率的にプロジェクトを進められるのか、基本から実践的なポイントまで解説します。

Gitを導入することで得られる3つのメリット

Gitを使うことで、Web制作プロジェクトは劇的に安全で効率的になります。
主なメリットは以下の3点です。

1. 変更履歴の完全な記録
誰が、いつ、どのファイルを、どのように変更したかが全て記録されます。
万が一問題が発生しても、過去の任意の時点に戻すことが可能です。

2. 並行作業の実現
「ブランチ」という機能を使えば、複数のメンバーが同時に異なる機能を開発できます。
例えば、Aさんが新しいページを作成している間に、Bさんがデザイン修正を進めるといった作業が安全に行えます。

3. コードレビューの仕組み化
変更内容を本番環境に反映する前に、チームメンバーがレビューできる「プルリクエスト」の仕組みがあります。
これにより、バグや不具合を事前に発見できます。

Web制作でGitを活用する5つの基本ポイント

1. ブランチ戦略を明確にする

Git運用で最も重要なのが「ブランチ戦略」です。
一般的なWeb制作では、以下のような構成が効果的です。

  • mainブランチ:本番環境に公開されているコード
  • developブランチ:開発中の最新コード
  • featureブランチ:各機能開発用の作業ブランチ

例えば、新しいお問い合わせフォームを追加する場合、「feature/contact-form」というブランチを作成し、そこで作業を完結させます。
完成後にdevelopブランチにマージ(統合)し、テストを経てmainブランチに反映するという流れです。

2. コミットメッセージのルールを決める

「変更内容をわかりやすく記録する」ことは、将来のトラブル解決に直結します。
コミットメッセージ(変更の説明文)には、以下のようなルールを設けましょう。

ルール例具体例
変更内容を具体的に❌「修正」 ⭕「お問い合わせフォームのバリデーション追加」
動詞から始める⭕「追加」「修正」「削除」「更新」
1行目は50文字以内詳細は2行目以降に記載

統一されたメッセージがあれば、後から変更履歴を追いやすくなります。

3. .gitignoreで不要なファイルを除外

WordPressサイトの開発では、全てのファイルをGitで管理する必要はありません。
以下のようなファイルは「.gitignore」に記述して除外しましょう。

wp-config.php(データベース接続情報を含む)
/wp-content/uploads/(画像などのアップロードファイル)
.DS_Store(Macの隠しファイル)
node_modules/(パッケージ管理の依存ファイル)

これにより、リポジトリ(Gitで管理するプロジェクト)のサイズを小さく保ち、機密情報の流出も防げます。

4. プルリクエストでコードレビューを習慣化

個人で作業した内容を本番環境に反映する前に、必ず「プルリクエスト」を作成しましょう。
これは「この変更をマージしていいか確認してください」という依頼です。

レビュー担当者は以下の点をチェックします。

  • コードの品質(不要な重複はないか、命名規則は守られているか)
  • デザインの意図通りの実装か
  • セキュリティ上の問題はないか
  • 既存機能に悪影響を与えていないか

年間100件以上のWeb制作プロジェクトを手掛けるlinedot designでも、このレビュープロセスを徹底することで、高品質なWordPressサイトを提供しています。

5. 定期的なマージで競合を防ぐ

長期間ブランチを分けたまま作業すると、他のメンバーの変更と「競合(コンフリクト)」が発生しやすくなります。
競合とは、同じファイルの同じ箇所を異なる内容に変更してしまう状態です。

これを防ぐには、1〜2日に1回は developブランチの最新状態を自分の作業ブランチに取り込む(マージする)ことが重要です。
こまめな同期により、大きな競合を避けられます。

すぐに始められる実践ステップ

Gitを初めて導入する場合、以下のステップで進めましょう。

ステップ1:Gitのインストール
公式サイト(git-scm.com)からGitをダウンロードし、パソコンにインストールします。
MacやLinuxには標準で入っていることも多いです。

ステップ2リモートリポジトリの作成
GitHub、GitLab、Bitbucketなどのサービスでリモートリポジトリ(オンライン上の保管場所)を作成します。
無料プランでも十分使えます。

ステップ3チーム内ルールの策定
ブランチ戦略、コミットメッセージのルール、レビュープロセスをチーム全体で共有します。
最初に決めておくことで、後の混乱を防げます。

ステップ4小規模プロジェクトで試す
いきなり大規模サイトで始めるのではなく、小さなコーポレートサイトの更新作業などで試してみましょう。
実際に使いながら慣れることが大切です。

ステップ5定期ミーティングで振り返り
週に1回程度、チームでGit運用の振り返りを行います。
「このルールは守りにくい」「もっとこうしたほうが良い」といった改善点を話し合いましょう。

まとめ:Gitで実現する安全で効率的なWeb制作

Gitによるバージョン管理は、複数人でのWeb制作を安全かつ効率的に進めるための必須ツールです。
最初は学習コストがかかりますが、一度習慣化すれば、ファイルの上書きや誤削除といったトラブルから解放されます。

重要なポイントを整理すると、以下の通りです。

  • ブランチ戦略を明確にし、役割ごとに作業を分離する
  • コミットメッセージのルールを決め、変更履歴を追いやすくする
  • プルリクエストでコードレビューを習慣化し、品質を担保する
  • こまめなマージで競合を防ぎ、スムーズな統合を実現する

linedot designでは、Gitを活用した効率的なWordPress制作プロセスを確立しており、年間100件以上のプロジェクトを成功に導いています。
伴走型のサポート体制により、制作だけでなく運用フェーズまで安心してお任せいただけます。

WordPressサイトの制作や運用でお悩みでしたら、linedot design(ラインドットデザイン)にお気軽にご相談ください。
貴社のニーズに合わせた最適なWeb制作プランをご提案いたします。

お問い合わせはこちら:https://linedot-design.com/contact/

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