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マルチサイト機能とは?複数サイトを一元管理する方法

2025.06.19(TUR)

「コーポレートサイトとサービスサイトを別々に管理するのが面倒」
「ブランドごとにサイトを分けたいけど、運用の手間を減らしたい」と悩んでいませんか?

複数のWordPressサイトを運営している企業では、それぞれのサイトでWordPressのアップデートやプラグインの管理、セキュリティ対策を個別に行う必要があり、管理コストが膨大になりがちです。
そんな課題を解決するのが、WordPressの「マルチサイト機能」です。

この記事では、マルチサイト機能の基本から設定方法、実際の運用事例まで、初心者にもわかりやすく解説します。
読み終える頃には、複数サイトの効率的な管理方法が明確になり、運用コストの大幅削減につながるでしょう。

マルチサイト機能とは?基本概念を理解する

マルチサイト機能とは、1つのWordPressで複数のWebサイトを作成・運用する運用形態のことです。
通常、複数のサイトを運営する場合は、サイトごとにWordPressをインストールする必要がありますが、マルチサイト機能を使えば、一つのWordPressインストールで複数のサイトを管理できます。

具体的には、WordPressのコアファイルやプラグイン、ユーザーなどの情報はまとめて管理し、サイトごとの個別データはそれぞれ別のテーブルで管理する仕組みになっています。
これにより、管理の手間を大幅に削減しながら、各サイトの独立性も保てるのです。

マルチサイトの構造タイプ

マルチサイト機能には主に2つの構造タイプがあります:

サブディレクトリ型

  • メインサイト:example.com
  • サブサイト:example.com/site1、example.com/site2

サブドメイン型

  • メインサイト:example.com
  • サブサイト:site1.example.com、site2.example.com

どちらのタイプを選ぶかは、サイトの性質や運用方針によって決めることが重要です。

マルチサイト機能のメリット・デメリット

メリット

1. 管理コストの大幅削減
最大のメリットは、複数サイトの一元管理により管理コストを大幅に削減できることです。
WordPressのアップデート、プラグインの更新、セキュリティ対策などを一括で行えるため、従来の個別管理と比べて作業時間を最大70%削減できます。

2. 統一されたユーザー管理
ネットワーク管理者という役割が追加され、全サイトのユーザーを一元管理できます。
新しいスタッフが入社した際も、一度のアカウント作成で複数サイトへのアクセス権限を付与できます。

3. テーマとプラグインの効率的な管理
ネットワーク管理者のみがインストール可能な仕組みにより、使用するテーマやプラグインを統一でき、セキュリティリスクの軽減にもつながります。

4. リソースの最適化
サーバーリソースを効率的に使用でき、ホスティング費用の削減も期待できます。

デメリット

1. 設定の複雑さ
初期設定には技術的な知識が必要で、wp-config.phpファイルの編集やFTPでのファイル操作が必要になります。

2. 障害時の影響範囲
一つのサイトに問題が発生すると、ネットワーク全体に影響する可能性があります。

3. カスタマイズの制限
各サイトで独自のプラグインやテーマを使いたい場合、制限を受ける可能性があります。

マルチサイト機能の具体的な活用事例

1. 企業グループサイトの統合管理

大手企業では、本社サイト、各事業部サイト、採用サイトなどを一元管理することで、ブランドイメージの統一と管理効率の向上を実現しています。
例えば、年間100件以上の企業サイトを手がけるWeb制作会社では、マルチサイト機能により管理工数を40%削減した事例もあります。

2. 多言語サイトの運営

グローバル展開している企業では、日本語サイト、英語サイト、中国語サイトなどを一つのマルチサイトで管理し、翻訳作業の効率化とコンテンツの整合性確保を図っています。

3. イベントサイトの継続運営

定期的(例:年単位)に更新していくイベントサイトの運用(過去のサイトを残す場合)にも活用されています。
毎年開催されるカンファレンスや展示会のサイトを、過去の記録を残しながら新しいサイトを作成できます。

4. ブランド別サイトの管理

ブログのジャンルをカテゴリに分けて運用するのではなく、サイトに分けてマルチで運用することで、ブランドごとの独立性を保ちながら効率的な管理を実現しています。

マルチサイト機能の設定手順

事前準備

マルチサイト機能を有効にする前に、必ず以下の準備を行ってください:

  1. 完全なバックアップの作成
  2. 使用中のプラグインの無効化
  3. FTPアクセス情報の確認

ステップ1:wp-config.phpファイルの編集

wp-config.phpの編集 define(‘WP_ALLOW_MULTISITE’, true); を追加し、マルチサイト機能を有効化します。

FTPソフトを使用してサーバーにアクセスし、WordPressがインストールされているディレクトリの「wp-config.php」ファイルをダウンロードします。
テキストエディタで開き、「/* 編集が必要なのはここまでです ! WordPress でのパブリッシングをお楽しみください。 */」の行の前に以下のコードを追加してください:

php
define('WP_ALLOW_MULTISITE', true);

ステップ2:ネットワークの設定

WordPressの管理画面にログインし、「ツール」→「サイトネットワークの設置」を開きます。
ここで、サブディレクトリ型かサブドメイン型かを選択できます。

企業サイトの場合、SEOの観点からサブディレクトリ型が推奨されることが多いです。

ステップ3:設定コードの追加

ネットワーク設定画面で表示されるコードを、wp-config.phpファイルと.htaccessファイルに追加します。
この作業は慎重に行い、コードの記述ミスがないよう注意が必要です。

ステップ4:管理画面での確認

設定が完了すると、WordPress管理画面に「サイト」メニューが追加され、新しいサイトの作成や既存サイトの管理ができるようになります。

運用時の注意点とベストプラクティス

セキュリティ対策の強化

マルチサイト環境では、一つのサイトがハッキングされると他のサイトにも影響する可能性があるため、以下の対策が重要です:

  • 定期的なセキュリティプラグインの更新
  • 強固なパスワードポリシーの設定
  • 不要なプラグインの削除
  • 定期的なバックアップの実行

パフォーマンス最適化

複数サイトを運営するため、サーバーリソースの管理が重要になります:

  • キャッシュプラグインの適切な設定
  • 画像の最適化
  • 不要なプラグインの削除
  • CDNの活用

管理体制の整備

効率的な運用のために、以下の管理体制を整えることが推奨されます:

  • 各サイトの管理者権限の明確化
  • 更新作業のスケジュール策定
  • 緊急時の対応フローの整備

まとめ:マルチサイト機能で効率的なサイト運営を実現

WordPressのマルチサイト機能は、複数サイトの運営において管理コストの大幅削減と統一性の確保を同時に実現できる強力な機能です。
設定には技術的な知識が必要ですが、一度構築すれば長期的に大きなメリットを享受できます。

特に以下のような企業におすすめです:

  • 複数の事業部やブランドサイトを運営している企業
  • 多言語サイトを展開している企業
  • 定期的にイベントサイトを立ち上げる企業
  • 管理コストの削減を図りたい企業

ただし、マルチサイト機能の導入は慎重に検討し、可能であれば専門的な知識を持った制作会社に相談することをおすすめします。
適切な設計と運用により、Webサイトの管理効率を大幅に向上させることができるでしょう。


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