WordPressのバックアップ&復元方法:トラブル時の備えと対策

はじめに:データ消失の恐怖から解放されませんか?
WordPressサイトを運営していて、「もしサイトが突然表示されなくなったらどうしよう」「データが消えてしまったらどうしよう」という不安を感じたことはありませんか?
実際に、サーバー障害、ハッキング、プラグインの不具合などにより、大切なWebサイトが一瞬で利用できなくなるケースは少なくありません。
弊社linedot designでも、年間100件以上のWordPressサイト制作・運用を手がける中で、バックアップの重要性を痛感する場面を数多く経験してきました。
適切なバックアップがなかったために、数ヶ月分のコンテンツを失ってしまった企業様や、復旧作業に数十万円の費用がかかってしまった事例も実際に存在します。
この記事で解決できること
本記事では、WordPressサイトのバックアップと復元について、初心者の方でも理解できるよう分かりやすく解説します。
具体的には以下の内容をカバーします:
- なぜバックアップが必要なのか:データ損失リスクの実態
- 効果的なバックアップの方法:自動・手動の両方のアプローチ
- 復元の手順:トラブル発生時の具体的な対処法
- 定期メンテナンスの重要性:問題を未然に防ぐ方法
これらの知識を身につけることで、安心してWordPressサイトを運営できるようになります。
1. WordPressバックアップの必要性とリスク
データ損失の主な原因
WordPressサイトのデータ損失は、想像以上に頻繁に発生しています。
主な原因として以下が挙げられます:
技術的トラブル(全体の40%)
- サーバーのハードウェア障害
- データベースの破損
- プラグインやテーマの不具合による競合
セキュリティ関連(全体の35%)
- マルウェア感染によるファイル改ざん
- ハッキング攻撃によるデータ削除
- 不正アクセスによる設定変更
人的ミス(全体の25%)
- 誤ったファイル削除や設定変更
- 更新作業中の操作ミス
- 開発作業時の意図しない変更
バックアップがない場合の影響
適切なバックアップがない状態でトラブルが発生すると、以下のような深刻な影響が生じます:
影響の種類 | 具体的な損失 | 推定コスト |
データ復旧費用 | 専門業者への依頼 | 10-50万円 |
機会損失 | サイト停止による売上減少 | 業種により数十万〜数百万円 |
信頼失墜 | 顧客からの信頼低下 | 測定困難だが長期的に大きな影響 |
再制作コスト | サイト一からの作り直し | 初期制作費用と同等 |
2. 効果的なバックアップ方法:自動化で安心運用
プラグインを活用した自動バックアップ
推奨プラグイン:UpdraftPlus
WordPressの代表的なバックアッププラグインで、世界中で300万以上のサイトで利用されています。
設定手順:
- WordPress管理画面から「プラグイン」→「新規追加」
- 「UpdraftPlus」を検索してインストール・有効化
- 「設定」→「UpdraftPlus Backups」にアクセス
- バックアップスケジュールを設定(推奨:週1回以上)
クラウドストレージとの連携
- Google Drive、Dropbox、Amazon S3などと連携可能
- 自動的に外部ストレージに保存されるため、サーバー障害時も安心
- 無料版でも基本的な機能は十分利用可能
手動バックアップの実践方法
自動バックアップに加えて、重要な更新前には手動バックアップも実施しましょう。
FTPを使用したファイルバックアップ
- FTPクライアント(FileZilla等)でサーバーに接続
- WordPressインストールディレクトリ全体をダウンロード
- 特に「wp-content」フォルダは必須(テーマ、プラグイン、画像等)
データベースのエクスポート
- cPanel或いはphpMyAdminにアクセス
- WordPressデータベースを選択
- 「エクスポート」機能でSQLファイルを作成・ダウンロード

3. 復元作業の具体的手順
トラブル発生時の初期対応
Step 1: 状況の把握
- サイトにアクセスできるか確認
- エラーメッセージの内容を記録
- 管理画面にログインできるか確認
Step 2: 原因の特定
- 最近行った変更作業の洗い出し
- プラグインやテーマの更新履歴確認
- サーバーログの確認(可能な場合)
プラグインを使用した復元
UpdraftPlusでの復元手順
- WordPress管理画面にアクセス可能な場合
- 「UpdraftPlus Backups」→「既存のバックアップ」
- 復元したいバックアップを選択
- 「復元」ボタンをクリック
- 管理画面にアクセスできない場合
- FTPでUpdraftPlusのバックアップファイルをアップロード
- 専用の復元ページにアクセスして作業実行
手動での復元作業
ファイルの復元
- FTPクライアントで破損したファイルを特定
- バックアップファイルから該当ファイルをアップロード
- ファイル権限(パーミッション)を適切に設定
データベースの復元
- phpMyAdminにアクセス
- 現在のデータベースを削除(必要に応じて)
- バックアップのSQLファイルを新規インポート
- wp-config.phpの設定確認
4. 実践的なバックアップ戦略
3-2-1ルールの実践
情報セキュリティの業界標準である「3-2-1ルール」をWordPressバックアップにも適用しましょう:
- 3つのコピー:オリジナル + バックアップ2つ
- 2つの異なるメディア:サーバー内 + クラウドストレージ
- 1つは外部保存:物理的に離れた場所での保管
バックアップの頻度とタイミング
コンテンツ更新頻度別の推奨スケジュール
サイトの種類 | 更新頻度 | 推奨バックアップ間隔 |
コーポレートサイト | 月1-2回 | 週1回 |
ブログサイト | 週2-3回 | 毎日 |
ECサイト | 毎日 | 1日2-3回 |
ランディングページ | 月1回未満 | 月1回 + 更新前 |
定期メンテナンスの重要性
月次チェック項目
- バックアップの実行状況確認
- 復元テストの実施
- 古いバックアップファイルの整理
- セキュリティアップデートの確認
四半期チェック項目
- バックアップ戦略の見直し
- 災害復旧計画の更新
- サーバー容量の確認
- パフォーマンス最適化
5. 今すぐ実践できる5つのステップ
WordPressサイトの安全性を確保するため、以下のステップを順番に実行してください:
Step 1: 現状確認(所要時間:15分)
- 現在のバックアップ状況を確認
- 最後のバックアップ日時をチェック
- サイトの重要度と更新頻度を評価
Step 2: バックアップツールの導入(所要時間:30分)
- UpdraftPlusまたは同等のプラグインをインストール
- 基本設定を完了
- クラウドストレージとの連携を設定
Step 3: 初回バックアップの実行(所要時間:10分)
- 手動でフルバックアップを実行
- 生成されたファイルの確認
- バックアップサイズとストレージ容量の確認
Step 4: 自動化スケジュールの設定(所要時間:10分)
- サイトの更新頻度に応じたスケジュール設定
- 通知メールの設定
- 保存期間の設定
Step 5: 復元テストの実施(所要時間:45分)
- テスト環境での復元作業練習
- 手順書の作成と保管
- 緊急連絡先の整理

まとめ:安心のWordPress運用を実現しよう
WordPressサイトのバックアップは、単なる「保険」ではなく、継続的なWeb運営における「必須インフラ」です。
適切なバックアップ体制を整えることで、技術的トラブルやセキュリティリスクから大切なサイトを守ることができます。
特に重要なポイントを改めて整理すると:
- 自動化の徹底:人的ミスを防ぐため、可能な限り自動化する
- 複数箇所への保存:単一障害点を作らない冗長化の実現
- 定期的なテスト:いざという時に確実に復元できる体制作り
- 継続的なメンテナンス:設定したまま放置せず、定期的な見直し
これらの対策により、月間数万円の機会損失リスクを、月額数百円のコストで解決できるようになります。
今すぐ行動を起こし、安心してWordPressサイトを運営できる環境を整えましょう。
明日では遅いかもしれません。
WordPressサイトの制作や運用でお悩みでしたら、linedot design(ラインドットデザイン)にお気軽にご相談ください。
貴社のニーズに合わせた最適なWeb制作プランをご提案いたします。
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