Figmaからコーディングまでの最適フロー:デザイナーとエンジニアの協業術

デザインと開発の溝が、プロジェクトの足かせになっていませんか?
Webサイト制作のプロジェクトにおいて、「デザインは完璧なのにコーディング段階で思い通りにいかない」「デザイナーとエンジニアの認識がずれて何度も修正が発生する」といった課題に直面したことはありませんか?
デザインツールの進化により、Figmaを使ったデザイン制作が主流となった今、デザインからコーディングへのスムーズな移行が、プロジェクト成功の鍵を握っています。
特にWordPressサイトの制作では、デザインの美しさと運用性の両立が求められるため、デザイナーとエンジニアの連携がより重要になります。
本記事では、年間100件以上のWeb制作実績を持つlinedot designの知見をもとに、Figmaからコーディングまでの最適なワークフローと、チーム協業のベストプラクティスをご紹介します。
なぜFigmaからコーディングへの移行でつまずくのか?
デザインツールとしてのFigmaは非常に優秀ですが、デザインデータをそのままコードに変換できるわけではありません。
多くのプロジェクトで発生する課題は、デザインの「意図」がコーディング段階で正確に伝わらないことにあります。
デザイナーが作成したビジュアルには、余白の意味、レスポンシブ対応時の振る舞い、インタラクションの細部など、画面上では見えない「設計思想」が込められています。
これらの情報が適切に共有されないと、何度も修正を繰り返すことになり、プロジェクトの遅延やコスト増加につながります。
Figmaからコーディングまでの最適フロー5つのポイント
1. デザインシステムの事前構築
プロジェクト開始時に、カラーパレット、タイポグラフィ、余白のルール、コンポーネントライブラリなどの「デザインシステム」を構築することが重要です。
Figmaのスタイル機能やコンポーネント機能を活用し、デザイナーとエンジニアが同じ「言語」で会話できる基盤を作ります。
例えば、余白は「8pxグリッド」を基準とする、見出しは3段階のヒエラルキーで構成する、などのルールを明文化します。
これにより、エンジニアはデザインデータを見た瞬間に、どのような実装が求められているか理解できるようになります。
2. Figmaファイルの構造化と命名規則の統一
Figmaファイルは、エンジニアが必要な情報にすぐアクセスできるよう、明確な構造で整理する必要があります。
ページは「デザイン案」「確定デザイン」「コンポーネントライブラリ」などに分類し、レイヤー名はHTML要素やクラス名を意識した命名にします。
具体的には、「Button/Primary/Default」「Header/Navigation」といった階層的な命名規則を採用することで、デザインの意図とコードの構造を一致させやすくなります。
この段階での丁寧な準備が、後工程の効率を大きく左右します。
3. 開発者モードとインスペクト機能の活用
Figmaの「開発者モード」は、デザインデータから必要な情報を自動抽出できる強力な機能です。
フォントサイズ、行間、色コード、余白などの数値情報を、エンジニアが手作業で測る必要がなくなります。
さらに、CSSコードの自動生成機能を参考にすることで、実装のベースラインを素早く作成できます。
ただし、自動生成されたコードをそのまま使うのではなく、保守性や拡張性を考慮した「人間が読めるコード」に整形することが重要です。

4. 週一回の定例ミーティングで認識を合わせる
linedot designでは、プロジェクト期間中、週に一度の定例ミーティングを必ず実施しています。
このミーティングでは、デザインの進捗確認だけでなく、実装上の技術的制約や、WordPressのカスタマイズ方針についても議論します。
デザイナーが「こう見せたい」という意図と、エンジニアが「この技術で実現できる」という現実をすり合わせる場として、この定期的なコミュニケーションは不可欠です。
対面での会話により、テキストベースのやり取りでは伝わりにくいニュアンスも共有できます。
5. プロトタイプとアニメーション仕様の明確化
静的なデザインだけでなく、インタラクションやアニメーションの挙動も、Figmaのプロトタイプ機能で可視化することが重要です。
ボタンのホバー効果、メニューの開閉アニメーション、スクロールに応じた表示切り替えなど、動的な要素は言葉だけでは伝わりにくいものです。
加えて、アニメーションの速度(0.3秒、0.5秒など)、イージング(ease-in、ease-out)、タイミングなどを仕様書として文書化します。
この詳細な指示により、デザイナーの意図通りの「心地よい」ユーザー体験を実現できます。
すぐに実践できる3つのステップ
ステップ1:デザインハンドオフチェックリストの作成
デザインからコーディングに移行する前に、必ず確認すべき項目をチェックリストにまとめましょう。
レスポンシブデザインの全ブレイクポイントは揃っているか、カラーパレットは統一されているか、フォントは全て指定されているか、などを体系的にチェックします。
ステップ2:デザイナーとエンジニアのペアレビュー実施
コーディングの初期段階で、デザイナーとエンジニアが一緒に画面を見ながらレビューする時間を設けます。
30分程度の短時間でも、「ここの余白はもう少し広く」「このフォントサイズは一段階下げて」といった微調整を、その場で合意できます。
ステップ3:WordPressカスタマイズとの整合性確認
WordPressサイトの場合、管理画面からの更新作業も視野に入れたデザインが必要です。
ブロックエディタでどこまで編集可能にするか、カスタムフィールドで管理する項目は何か、といった運用面の設計をデザイン段階から考慮します。
linedot designでは、納品時に「WordPress運用説明書」と「操作説明会」を提供し、クライアント自身が簡単に更新できる仕組みを整えています。
デザインの美しさと運用のしやすさを高次元で両立させることが、長く愛されるWebサイトの条件です。

まとめ:最適フローで実現する高品質なWeb制作
Figmaからコーディングまでのワークフローを最適化することで、プロジェクトの効率は劇的に向上します。
デザインシステムの構築、ファイル構造の整理、定期的なコミュニケーション、詳細な仕様の明文化、そしてWordPress運用を見据えた設計。
これら全てが揃ったとき、デザイナーの創造性とエンジニアの技術力が最大限に発揮され、クライアントの期待を超えるWebサイトが誕生します。
Web制作プロジェクトの成否は、デザインとコーディングの「つなぎ目」で決まると言っても過言ではありません。
適切なプロセスと密なコミュニケーションにより、修正の繰り返しを最小限に抑え、スケジュール通りに高品質なサイトを納品できます。
WordPressサイトの制作や運用でお悩みでしたら、linedot design(ラインドットデザイン)にお気軽にご相談ください。
貴社のニーズに合わせた最適なWeb制作プランをご提案いたします。
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