Web制作の契約書で押さえておくべき注意点|トラブルを防ぐ5つのチェックポイント

はじめに|なぜWeb制作の契約書が重要なのか
Web制作を依頼する際、「とりあえず制作会社にお任せしてしまおう」と考えていませんか?
実は、Web制作プロジェクトの約30%で何らかのトラブルが発生しており、その多くが契約書の不備が原因となっています。
「思っていたデザインと違う」「予算が大幅にオーバーした」「納期が守られない」といった問題は、適切な契約書があれば防げるケースがほとんどです。
特にWordPress制作のような技術的な要素が絡むプロジェクトでは、契約内容の明確化がより重要になります。
この記事で解決できること
本記事では、Web制作の契約書で必ず確認すべき5つのポイントを詳しく解説します。
これらのチェックポイントを押さえることで、制作会社との認識齟齬を防ぎ、スムーズなプロジェクト進行を実現できます。
年間100件以上のWeb制作実績を持つlinedot designの経験を基に、実際にトラブルになりやすい項目と対策を具体的にお伝えします。
1. 制作範囲と成果物の明確化
なぜ重要なのか
「ホームページ制作」という言葉だけでは、具体的に何を作るのかが曖昧です。
制作範囲が不明確だと、後から追加費用が発生したり、期待していた機能が含まれていなかったりするトラブルが起こります。
契約書で確認すべき項目
- ページ数と構成:トップページ、会社概要、サービス紹介など具体的なページリスト
- 機能仕様:お問い合わせフォーム、検索機能、会員機能の有無
- デザインの詳細:レスポンシブ対応、ブラウザ対応範囲
- WordPressの場合:使用するテーマ、プラグイン、カスタマイズ範囲
実例
「コーポレートサイト制作」として契約したが、実際には基本的な5ページのみで、期待していたニュース機能やスタッフ紹介ページが含まれていなかった事例があります。
このような問題は、事前にページ構成を明記することで防げます。
2. 費用の内訳と支払条件
制作費用の透明性が重要な理由
Web制作の費用は「一式○○万円」として提示されることが多いですが、内訳が不明だと修正や追加が発生した際の費用計算が困難になります。
契約書に記載すべき費用項目
- デザイン費用:ワイヤーフレーム作成、デザインカンプ制作
- コーディング費用:HTML/CSS作成、JavaScript実装
- WordPress構築費用:テーマカスタマイズ、プラグイン設定
- その他費用:ドメイン取得、サーバー設定、SSL証明書
支払条件のポイント
支払タイミング | 一般的な割合 | 注意点 |
契約時 | 30-50% | 初回支払いが高額すぎないかチェック |
中間納品時 | 30-40% | 制作進捗と支払いのバランスを確認 |
完成・納品時 | 20-40% | 最終確認後の支払いが適切な割合か |
3. 納期とスケジュールの詳細設定
スケジュール管理の重要性
Web制作プロジェクトの遅延は、発注者側の要因(素材提供の遅れ、修正指示の遅延)と制作側の要因(技術的課題、リソース不足)の両方で起こります。
契約書で明記すべきスケジュール項目
- 各工程の期限:ヒアリング完了、デザイン提出、コーディング完了
- クライアント側のタスク期限:素材提供、フィードバック回答の期限
- 修正回数と期間:デザイン修正は何回まで、修正にかかる期間
スケジュール管理のコツ
linedot designでは週一回の定例ミーティングを実施し、進捗状況を共有することでスケジュール遅延を防いでいます。
契約書にも定期的な進捗報告について記載することをおすすめします。

4. 修正・変更に関するルール
修正範囲の事前定義が必要な理由
「イメージと違うので修正してほしい」という要求は制作プロジェクトでよく発生します。
しかし、修正の範囲や回数が無制限だと、プロジェクトが延々と続いてしまう可能性があります。
契約書で定めるべき修正ルール
- 無料修正の範囲と回数:デザイン修正は2回まで、文言修正は何回まで
- 有料修正の料金体系:追加ページ作成、大幅なデザイン変更の単価
- 修正依頼の方法:メール、専用ツール、対面打合せなど
- 修正完了の判断基準:どの時点で修正完了とするか
変更管理の実例
当初5ページの予定が10ページに増加した場合、追加ページ1枚あたり5万円といった具体的な料金設定があると、両者にとって安心です。
5. 知的財産権と運用権限
著作権の所在を明確にする必要性
Web制作完了後、サイトの著作権や使用権がどちらに帰属するかは重要な問題です。
特にWordPressサイトの場合、カスタマイズしたテーマやプラグインの権利関係が複雑になることがあります。
契約書で確認すべき権利関係
- デザインの著作権:制作会社に帰属するか、発注者に譲渡されるか
- WordPressカスタマイズ部分:テーマやプラグインの改変権限
- 写真・イラスト素材:使用許諾の範囲と期限
- サイト運用権限:更新作業を自社で行う権限の有無
運用サポートの範囲
linedot designでは、納品時にカスタマイズされた「WordPress運用説明書」と「操作説明会」を提供し、お客様が自社で更新作業を行えるようサポートしています。
このような運用支援の内容も契約書に明記することが重要です。
実践ステップ|契約前のチェックリスト
契約書を交わす前に、以下の項目を必ず確認してください:
STEP1:制作内容の確認
- ページ数と各ページの内容が具体的に記載されているか
- 必要な機能がすべて含まれているか
- レスポンシブ対応など技術仕様が明記されているか
STEP2:費用と支払条件の確認
- 費用の内訳が詳細に記載されているか
- 支払いタイミングと金額が適切か
- 追加費用が発生する条件が明確か
STEP3:スケジュールの確認
- 各工程の期限が現実的に設定されているか
- クライアント側のタスクと期限が明記されているか
- 遅延時の対応方法が記載されているか
STEP4:修正・変更ルールの確認
- 無料修正の範囲と回数が明記されているか
- 有料修正の料金体系が明確か
- 修正依頼の方法と承認プロセスが定義されているか
STEP5:権利関係の確認
- 著作権の帰属が明記されているか
- 運用権限の範囲が明確か
- 使用素材の権利処理が適切に行われているか

まとめ|安心できるWeb制作パートナーを選ぶために
Web制作の契約書は、単なる形式的な書類ではありません。
プロジェクトを成功に導くための重要な設計図です。
今回ご紹介した5つのポイントを押さえることで、制作会社との信頼関係を築き、期待通りのWebサイトを完成させることができます。
特にWordPressを使用したサイト制作では、技術的な要素が多く含まれるため、契約内容の明確化がより重要になります。
「専門知識不要の簡単更新」と「洗練されたデザイン」を両立するためには、制作会社の技術力と併せて、契約段階での綿密な打合せが不可欠です。
良質なWeb制作会社は、これらの契約内容について丁寧に説明し、発注者の理解を深めることを重視します。
もし契約内容について曖昧な回答しかもらえない場合は、別の制作会社を検討することをおすすめします。
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