サイト停止を防ぐための障害対応マニュアルの作り方

はじめに:サイト停止は経営リスク
突然、自社のWebサイトが表示されなくなったら?
その瞬間、毎時間の売上が失われ、顧客からの信頼が揺らぎます。
実際、サイト停止による経済的損失は企業規模によって異なりますが、1時間のダウンタイムで数万円~数十万円の機会損失が発生することもあります。
特にWordPressで運用されているコーポレートサイトやECサイトは、アクセス集中やプラグインの不具合、セキュリティ問題によって予期せぬトラブルが起きやすいものです。
だからこそ、障害が発生する前に「何をすべきか」を整理した対応マニュアルが不可欠なのです。
この記事では、WordPressサイトを運用する企業担当者向けに、実践的な障害対応マニュアルの作り方をご紹介します。
障害対応マニュアルがもたらす3つのメリット
障害対応マニュアルを事前に用意することで、以下のメリットが得られます。
対応時間を短縮できる
マニュアルがあれば、障害発生時に「どうしよう?」と迷う時間がなくなります。
対応フローが明確なため、平均対応時間を30分以上削減できた企業も多くあります。
対応漏れを防止できる
チェックリストをマニュアルに組み込むことで、確認すべきポイントの見落としを防げます。
結果として、再発防止対策も体系的に進められます。
組織全体で対応できる
特定の人物だけでなく、複数のスタッフで対応できるようになります。
担当者の休みや離職時にも、サイト運用を安定させられるのです。
実践的な障害対応マニュアル作成の5つのステップ
1. 起こりうる障害パターンを洗い出す
まず、自社のWordPressサイトで起こりうる障害を具体的にリストアップします。
一般的な障害パターンには以下があります。
- プラグイン不具合:更新後にサイト表示が崩れる、管理画面にアクセスできない
- メモリ不足:アクセス急増や大容量画像アップロード時のエラー
- データベース接続エラー:サーバーリソース枯渇やMySQL停止
- セキュリティ侵害:マルウェア感染、不正アクセスによる改ざん
- HTTPSエラー:SSL証明書の有効期限切れ
- ファイルパーミッション問題:ファイルやフォルダの操作権限エラー
自社特有の構成やカスタマイズ内容も踏まえて、起こりやすい障害を5~10個程度定義しましょう。
2. 障害の検知方法を決める
障害に気づくのが遅れれば、損失も大きくなります。
主要な検知方法を整備します。
| 検知方法 | 特徴 | 推奨度 |
| 監視ツール導入 | 24時間自動監視、異常を即座に通知 | ★★★ |
| 定期手動確認 | 営業時間内に定期的にサイト表示確認 | ★★ |
| ユーザー報告 | SNSやメール経由の利用者からの連絡 | ★ |
| ステータスページ | 自社でサイト状態を公開 | ★★ |
WordPressサイトの場合、Uptime Robot(無料版あり)やSiteGuard WP Pluginなどのプラグインを組み合わせることで、低コストで効果的な監視体制が構築できます。

3. 初期対応のチェックリストを作成する
障害を検知したら、以下の順序で確認します。
【初期確認チェックリスト】
- □ サイトにアクセスして状況を確認した
- □ 他のデバイス(スマートフォン、別のPC)でも確認した
- □ 管理画面にアクセスできるか試した
- □ サーバーのステータスページを確認した
- □ エラーログを確認した(/wp-content/debug.logなど)
- □ レンタルサーバーの問い合わせ状況を確認した
- □ チームメンバーに障害発生を報告した
このチェックリストを完了することで、障害の原因がサイト側にあるのか、サーバー側にあるのかが判断しやすくなります。
4. 原因別の対応手順を文書化する
障害ごとに対応手順を具体的に記載します。
例えば、「プラグイン不具合の場合」の対応例です。
【プラグイン不具合時の対応】
- 管理画面にアクセスし、「プラグイン」メニューを開く
- 最近更新したプラグインから順に「無効化」する
- 各無効化後、サイトが正常表示されるか確認する
- 正常表示されたら、そのプラグインが原因と判定
- プラグイン開発者のサイトで最新情報を確認し、解決策を検索する
- 必要に応じてプラグインをダウングレード、または代替プラグインを検討
- テスト環境で動作確認した上で、本番環境で対応を実施
このように、「何を」「どの順序で」「どこまで」するかを明示することで、初心者スタッフでも対応できるようになります。
5. 復旧後の報告と再発防止策をまとめる
サイトが復旧したら、その時点で終わりではありません。
以下の情報を記録しましょう。
- 障害が発生した日時と復旧時刻(ダウンタイム時間を記録)
- 原因の詳細
- 実施した対応内容
- 今後の再発防止策
- 必要に応じて実施する機能追強化
例えば、「アクセス急増でサーバーリソースが枯渇した」が原因なら、次月のサーバーアップグレードやキャッシュプラグイン導入を検討するなど、具体的な改善案につなげます。
実践的なマニュアル作成のポイント
マニュアルを実際に機能させるためのポイントをご紹介します。
テンプレートを活用する
Google DocsやExcelで「障害対応レポート」のテンプレートを作成しておくと、毎回の対応がスムーズです。
記録を蓄積すれば、障害パターンの傾向分析にも活用できます。
定期的に訓練する
マニュアルは作成して終わりではなく、月1回程度の訓練を通じて、チーム全体が手順を理解しておくことが重要です。
実際のシミュレーション訓練により、対応の課題が浮き彫りになり、改善につながります。
外部専門家との連携方法も記載する
完全に自社で対応できない複雑な障害を想定して、制作会社やサーバー提供業者への相談方法、連絡先、説明すべき情報などもマニュアルに盛り込みましょう。

まとめ:マニュアルで組織のレジリエンスを高める
障害対応マニュアルは、単なるトラブルシューティング集ではなく、組織全体でサイト運用の責任を共有し、迅速に対応するための仕組みです。
事前にマニュアルを整備することで、万が一のとき慌てず対応でき、企業としての信頼も維持できます。
特にWordPressは柔軟性が高い反面、カスタマイズ内容によって起こりうる問題も異なります。
自社サイトの構成に合わせた実践的なマニュアル作成が、継続的な安定運用の鍵となるのです。
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