Web制作後の「改善PDCA」実践法：公開してからが本当のスタート
Webサイトは「公開=完成」ではない
「ようやくサイトが公開できた!」と安堵したのもつかの間、思ったよりも問い合わせが来ない、アクセス数が伸びない…そんな経験はありませんか？
実は、多くの企業が「Webサイトは公開したら終わり」と考えてしまい、せっかく投資したサイトを放置してしまっているのが現状です。
しかし、本当に成果を出すWebサイトは、公開後の「改善PDCA」によって育てられています。
調査によると、定期的な改善を行っているサイトは、そうでないサイトと比較して、コンバージョン率が平均2〜3倍も高いというデータがあります。
この記事では、Web制作後にどのような改善サイクルを回せばよいのか、具体的な実践方法をご紹介します。
改善PDCAで得られる3つの成果
Web制作後に改善PDCAを実践することで、以下のような成果が期待できます。
- ユーザー満足度の向上 – 実際の利用データに基づいた改善により、使いやすさが向上
- コンバージョン率の改善 – 問い合わせや資料請求など、ビジネス成果につながる行動が増加
- SEO順位の上昇 – コンテンツの最適化により、検索エンジンからの流入が増加
それでは、具体的な実践方法を見ていきましょう。
改善PDCAの5つの実践ポイント
1. アクセス解析ツールで「現状把握」を行う
改善の第一歩は、現状を正確に把握することです。
Google Analytics 4(GA4)やGoogle Search Consoleなどの無料ツールを活用しましょう。
チェックすべき主要指標
- ページビュー数とユニークユーザー数
- 平均滞在時間と直帰率
- コンバージョン率(問い合わせ、資料請求など)
- 流入経路(検索、SNS、広告など)
- デバイス別の利用状況(PC・スマホ・タブレット)
特に注目したいのは「直帰率が高いページ」です。これは、ユーザーがそのページだけを見て離脱していることを意味します。
コンテンツの質や導線に問題がある可能性が高いため、優先的に改善すべきポイントです。
2. ユーザー行動から「仮説」を立てる
データを眺めるだけでは改善につながりません。数値の裏にあるユーザーの行動や心理を読み解き、仮説を立てることが重要です。
仮説立案の具体例
- 直帰率70%超 → 「ファーストビューで期待と異なる内容だと判断されている?」
- スマホでの離脱率高 → 「ボタンサイズが小さくてタップしにくい?」
- 問い合わせフォームで離脱 → 「入力項目が多すぎて面倒に感じている?」
さらに効果的なのが、ヒートマップツール(Clarityなど)の活用です。ユーザーがどこをクリックし、どこまでスクロールしたかが視覚的にわかるため、仮説の精度が格段に上がります。
3. 優先順位をつけた「改善施策」を実行する
すべてを一度に改善しようとすると、どの施策が効果的だったか判断できなくなります。
以下の基準で優先順位をつけましょう。
WordPressで制作されたサイトなら、運用担当者自身でテキストや画像の変更ができるため、小さな改善をスピーディに実行できます。これは大きなアドバンテージです。
| 優先度 | 判断基準 | 施策例 |
| 高 | 影響範囲が広い × 実装コストが低い | CTAボタンの色・文言変更、見出しの改善 |
| 中 | 影響範囲が限定的 × 実装コストが低い | 特定ページのコンテンツ追加、画像最適化 |
| 低 | 影響範囲が広い × 実装コストが高い | サイト構造の大幅変更、システム改修 |
4. A/Bテストで「効果測定」を徹底する
改善施策を実行したら、必ず効果測定を行いましょう。
感覚ではなく、データで判断することが成功への近道です。
効果測定の基本手順
- 改善前の数値を記録(ベースライン設定)
- 施策実施後、最低2週間〜1ヶ月データを収集
- 改善前後の数値を比較
- 統計的に有意な差があるか確認
可能であればA/Bテスト(2つのパターンを同時に試す方法)を実施すると、より正確な判断ができます。
例えば、問い合わせボタンの色を「青」と「オレンジ」で比較し、どちらのクリック率が高いかを検証します。
5. 定期的な「振り返りミーティング」で次のアクションを決める
改善PDCAを継続するには、定期的な振り返りの場を設けることが重要です。
月に1回、または四半期に1回、関係者が集まってデータを共有し、次の施策を決定しましょう。
効果的な振り返りミーティングのポイント
- 前回決めた施策の実行状況と結果を報告
- うまくいった施策と失敗した施策を分析
- 新たに発見した課題や機会を共有
- 次の1ヶ月(または四半期)の優先施策を決定
linedot designでは、週一回の定例ミーティングを通じてクライアント企業と密にコミュニケーションを取り、改善のPDCAサイクルを伴走支援しています。
外部の専門家の視点が入ることで、社内だけでは気づかない改善点が見つかることも少なくありません。
すぐに始められる改善PDCAの3ステップ
ここまで読んで「難しそう…」と感じた方も大丈夫です。
まずは小さく始めましょう。
ステップ1：今週中にアクセス解析を確認する
Google Analyticsにログインし、先月のアクセス数、直帰率、コンバージョン数をメモしてください。現状を知ることが第一歩です。
ステップ2：最も改善効果が高そうなページを1つ選ぶ
トップページ、サービスページ、問い合わせページなど、ビジネスにとって重要なページを1つ選び、改善の仮説を立てましょう。
ステップ3：1つだけ変更して、1ヶ月後に効果を測定する
見出しを変える、ボタンの位置を変える、画像を追加するなど、1つだけ変更を加えて、1ヶ月後に数値がどう変化したか確認しましょう。
WordPressなら、専門知識がなくても管理画面から簡単にコンテンツを編集できます。
しかし、「どこをどう変えればいいかわからない」「そもそも解析データの見方がわからない」という場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
まとめ:Webサイトは「育てる」もの
Webサイトは公開した瞬間がゴールではなく、スタートラインです。ユーザーの行動データを分析し、仮説を立て、施策を実行し、効果を測定する。
このPDCAサイクルを回し続けることで、サイトは成長し、ビジネスに貢献する資産となります。
改善PDCAを成功させる鍵は、以下の3点です。
- 小さく始めて継続する – 完璧を目指さず、まず1つの改善から
- データに基づいて判断する – 感覚ではなく数値で効果を測定
- 外部の専門家を活用する – 客観的な視点と専門知識が成果を加速
linedot designは、WordPress専門集団として年間100件以上の制作実績を持ち、公開後の運用・改善支援にも力を入れています。
納品時には「WordPress運用説明書」と「操作説明会」を実施し、お客様自身で基本的な更新ができる体制を整えるとともに、継続的な改善のための伴走サポートもご提供しています。
WordPressサイトの制作や運用でお悩みでしたら、linedot design(ラインドットデザイン)にお気軽にご相談ください。
貴社のニーズに合わせた最適なWeb制作プランをご提案いたします。
お問い合わせはこちら：https://linedot-design.com/contact/
