RFP(提案依頼書)の書き方と発注者が注意すべきポイント

Web制作で失敗しないための第一歩
「Web制作を外注したいけれど、どこから始めれば良いかわからない」
「前回のサイトリニューアルでは想定と違う結果になってしまった」
──こうした悩みを抱える企業担当者の方は少なくありません。
実際、Web制作プロジェクトの約40%が予算オーバーや納期遅延に陥るというデータもあり、その原因の多くは発注時の要件定義が曖昧だったことにあります。
そこで重要になるのが、RFP(提案依頼書)の作成です。
RFPとは「Request for Proposal」の略で、制作会社に対して具体的な要件や条件を明示し、適切な提案を求めるための文書のことです。
RFPがプロジェクト成功のカギを握る理由
適切なRFPを作成することで、発注者と制作会社の間で共通認識を構築できます。
これにより、後から「こんなはずではなかった」というトラブルを防ぎ、理想的なWebサイトを予算内・納期内で実現できるのです。
この記事では、Web制作におけるRFPの書き方と、発注者が押さえるべき重要なポイントを5つのステップで解説します。
読み終える頃には、制作会社との円滑なやり取りができるようになるでしょう。
1. プロジェクトの目的と背景を明確に定義する
なぜWebサイトが必要なのかを言語化する
RFPの冒頭では、なぜWebサイト制作・リニューアルが必要なのかを具体的に記載します。
単に「古くなったから」ではなく、ビジネス上の課題を明確にしましょう。
記載すべき項目例:
- 現在のWebサイトの課題(CV率が低い、更新が困難など)
- プロジェクトの背景(事業拡大、ブランディング強化など)
- 期待する成果(問い合わせ数20%増加、採用応募者数向上など)
具体的な数値目標を設定する
曖昧な表現ではなく、数値で測れる目標を設定することが重要です。
例えば「月間問い合わせ数を現在の50件から80件に増加」「サイト滞在時間を2分から3分に延長」など、明確な指標を提示しましょう。
2. ターゲットユーザーとサイト要件を詳細に記述する
ペルソナ設定で制作の方向性を統一
ターゲットユーザーの詳細なペルソナ(年齢、職業、行動パターン、課題など)をRFPに含めることで、制作会社はより的確なデザインや機能を提案できます。
ペルソナ記載例:
- 主要ターゲット:30-40代の企業経営者
- 行動特性:スマートフォンでの情報収集が中心
- 課題:効率的なWebマーケティング手法を探している
- 求める情報:導入事例、料金体系、サポート内容
必要な機能を優先度別に整理
Webサイトに必要な機能を「必須」「推奨」「あれば良い」の3段階で分類します。
これにより制作会社は予算に応じた最適な提案ができ、発注者も優先順位を明確にできます。
優先度機能例理由必須お問い合わせフォーム顧客獲得の重要な窓口推奨ブログ機能SEO効果とコンテンツマーケティングあれば良い多言語対応将来的な海外展開を見据えて

3. 技術要件とCMS選定基準を明示する
WordPressを選ぶべき理由と運用性の重要性
WordPress は世界のWebサイトの約43%で使用されており、その理由は拡張性の高さと運用のしやすさにあります。
特に企業サイトでは、専門知識がなくても日常的な更新作業ができることが重要です。
WordPress選定のメリット:
- 豊富なプラグインによる機能拡張
- SEOに強い構造
- セキュリティアップデートの定期提供
- 運用担当者の負担軽減
セキュリティ要件の明確化
企業サイトでは、セキュリティ対策が特に重要です。
SSL証明書の導入、定期的なバックアップ、セキュリティプラグインの設定など、具体的な要件をRFPに記載しましょう。
4. 予算と納期の現実的な設定方法
Web制作費用の相場を理解する
適切な予算設定のため、Web制作の費用相場を把握しておくことが大切です。
コーポレートサイトの場合、一般的には以下のような相場となります:
- 基本的なコーポレートサイト:50-150万円
- ブランディング重視のサイト:150-300万円
- 高機能なカスタマイズサイト:300万円以上
ただし、デザインの複雑さや機能要件により大きく変動するため、複数社から見積もりを取ることをお勧めします。
段階的な納期設定のススメ
一度にすべてを完成させるのではなく、段階的なリリースを検討しましょう。
例えば、第1段階で基本サイトを公開し、第2段階でブログ機能を追加するなど、優先度に応じたフェーズ分けが効果的です。
5. 制作会社選定の評価基準を策定する
提案書評価のチェックポイント
制作会社からの提案書を公正に評価するため、事前に評価基準を設定しておきましょう。
評価項目の例:
- 要件理解度(30%):RFPの内容をどの程度理解しているか
- デザイン提案力(25%):ブランドイメージに合った提案か
- 技術力・実績(20%):WordPressの専門性と類似案件の経験
- サポート体制(15%):運用開始後のフォロー体制
- コストパフォーマンス(10%):予算に対する提案内容の妥当性
制作後の運用サポートも重視
Webサイトは公開後の運用が最も重要です。
定期的な更新サポート、セキュリティ対策、アクセス解析などの継続的なサポート体制を提案に含めるよう、RFPで明記しましょう。
実践ステップ:RFP作成から発注まで
RFPを効果的に活用するための具体的なステップをご紹介します。
ステップ1:社内での要件整理(1週間)
- 関係部署へのヒアリング実施
- 現行サイトの課題分析
- 目標と予算の確定
ステップ2:RFP作成(1週間)
- 上記のポイントを踏まえた文書作成
- 社内でのレビューと修正
- 必要に応じて外部コンサルタントへの相談
ステップ3:制作会社への依頼(2週間)
- 複数社(3-5社程度)への提案依頼
- 質疑応答期間の設定
- 提案書の受領と初期評価
ステップ4:最終選定(1週間)
- プレゼンテーション実施
- 評価基準に基づく採点
- 契約条件の最終調整

まとめ:成功するWeb制作の第一歩はRFPから
適切なRFPの作成は、Web制作プロジェクトの成功を左右する重要な要素です。
プロジェクトの目的明確化、詳細な要件定義、現実的な予算・納期設定、そして制作会社選定基準の策定
これらのポイントを押さえることで、理想的なWebサイトの実現に大きく近づけます。
特にWordPressを使用したサイト制作では、運用性とデザイン性の両立が重要です。
専門知識不要の簡単更新機能と、ブランドイメージを体現する洗練されたデザインを実現できる制作会社を選ぶことが、長期的な成功につながります。
次のアクション
まずは社内で現状の課題を整理し、本記事のポイントを参考にRFPの作成に取り掛かってみてください。
不明な点があれば、WordPress専門の制作会社に相談することで、より具体的なアドバイスを得られるでしょう。
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