トンマナ設計の基本と成功事例:ブランド世界観の統一術

2025.05.07(WED)

はじめに:ブランドの一貫性が生み出す力

「サイトデザインはバラバラで統一感がない」
「社内資料やSNSの見た目がちぐはぐ」
「ブランドイメージを一貫させたいけど方法がわからない」

このような悩みを抱えている企業担当者の方は少なくありません。
実は、これらの課題を解決する鍵が「トンマナ設計」にあります。

トンマナ(トーン&マナー)とは、ブランドやサービスが持つ世界観や個性を視覚や言葉で表現する際の「調子」と「作法」のこと。
適切なトンマナ設計により、企業の印象は劇的に変わり、ブランド価値の向上につながります。

この記事では、効果的なトンマナ設計の基本と実践方法、そして成功事例をご紹介します。

トンマナ設計で解決できる3つの課題

トンマナを適切に設計することで、次のような課題を解決できます:

  1. ブランドイメージの分散防止 — 異なる制作担当者や時期によるデザインのばらつきを防ぎます
  2. コミュニケーション効率の向上 — デザイン制作における認識齟齬やリワーク削減につながります
  3. 顧客体験の一貫性確保 — 接点の多様化時代に、どのチャネルでも同じブランド体験を提供できます

実際、当社の支援により、トンマナを統一した企業では平均して新規顧客獲得コストが約20%減少し、ブランド認知度が35%向上するという結果が出ています。

トンマナ設計の基本要素:5つの統一ポイント

効果的なトンマナ設計には、以下の5つの要素を統一することが重要です:

1. ビジュアル要素

  • カラーパレット — 主要色・補助色・アクセントカラーの明確な定義
  • タイポグラフィ — フォントファミリー、サイズ階層、行間、文字間隔の設定
  • グラフィック要素 — アイコン、イラスト、写真スタイルの統一
  • 余白の使い方 — 一貫した余白のルール設定

2. 言語表現

  • トーン・オブ・ボイス — 文章の口調や態度(フレンドリー、プロフェッショナル、カジュアルなど)
  • 用語統一 — 商品・サービス名、技術用語などの表記ルール
  • メッセージ構造 — 情報の優先順位や伝え方の一貫性

3. インタラクション設計

  • ユーザー体験の一貫性 — 操作感やフィードバックの統一
  • アニメーション・エフェクト — ブランド体験を強化する動きのルール
  • レスポンシブ対応 — 異なるデバイスでも一貫した体験の提供

4. コンテンツ戦略

  • コンテンツの種類と構成 — 提供する情報の質と量のバランス
  • 画像・動画のスタイル — 撮影角度、照明、編集スタイルの統一
  • ストーリーテリングアプローチ — 一貫した物語の語り方

5. 実装ガイドライン

  • HTMLとCSSの命名規則 — コード実装における一貫性確保
  • コンポーネント設計 — 再利用可能な要素の標準化
  • WordPress実装ルール — テンプレート構造、カスタムフィールドの統一

成功事例:トンマナ設計による変革

事例1:製造業A社のブランドサイトリニューアル

課題長年の歴史を持つ製造業A社は、複数の事業部ごとに異なるデザインのWebサイトを運用。
「老舗感」は伝わるものの、モダンさや統一感に欠けていました。

トンマナ設計のアプローチ

  • 伝統と革新を表現するカラーパレット(藍色をベースに、アクセントにブライトオレンジを使用)
  • 職人精神を反映した独自の写真撮影ガイドライン(製造過程のクローズアップショット中心)
  • 「誠実で簡潔」なトーン・オブ・ボイスを定義

結果

  • ブランド認知度:18%向上
  • サイト滞在時間:平均2分30秒から4分15秒へ増加
  • 問い合わせ数:リニューアル前比で32%増加

事例2:スタートアップB社のブランド構築

課題:新規サービスローンチに際し、限られた予算でブランドの一貫性を確保したいという要望。

トンマナ設計のアプローチ

  • WordPressのブロックエディタを最大限活用したコンポーネント設計
  • 更新頻度の高いコンテンツを社内で簡単に作成できるテンプレート化
  • SNS投稿用のビジュアルテンプレート10種類を用意

結果

  • サイト制作コスト:従来型の制作と比較して約40%削減
  • 運用工数:1回の更新あたり平均30分の時間削減
  • ブランド認知:半年で目標の1.5倍達成

トンマナ設計の実践ステップ

トンマナ設計を効果的に行うための5つのステップをご紹介します:

ステップ1:ブランド戦略の明確化

まずは、以下の質問に答えることで、ブランドの本質を明確にします:

  • 自社の存在意義(パーパス)は何か?
  • 提供する価値は何か?
  • 理想のブランドイメージは?
  • ターゲットユーザーは誰か?

ステップ2:競合分析とポジショニング

業界内での自社の立ち位置を確認し、差別化ポイントを明確にします。
競合他社と視覚的に「適度な距離」を取ることが重要です。

ステップ3:デザインシステムの構築

トンマナの要素を体系化したデザインシステムを構築します。
具体的には:

  • カラーコード、フォント指定、余白ルールの数値化
  • UIコンポーネントのパターン化
  • 写真・イラストのスタイルガイド作成

ステップ4:ガイドライン文書化

実際に運用できるよう、具体的なガイドラインをまとめます:

  • ブランドブック(PDF)
  • デザインシステム(Figma等のツール)
  • WordPress用テンプレートとマニュアル

ステップ5:継続的な運用と改善

トンマナは固定されたものではなく、時代やユーザーニーズに合わせて進化させることが重要です:

  • 定期的なレビューミーティング(四半期ごと推奨)
  • ユーザーフィードバックの収集と分析
  • トレンドや競合状況の監視

トンマナ設計の成功のカギ:linedot designの専門知見

トンマナ設計を成功させるには、「洗練されたデザイン」と「実用的な運用性」の両立が不可欠です。
linedot designでは、年間100件以上のWordPress制作実績から得た知見をもとに、この両者を高次元で融合したトンマナ設計を提供しています。

当社の強みとして、以下のポイントが挙げられます:

  • 実装を見据えたデザインシステム構築 — 見た目の美しさだけでなく、WordPress上で効率的に運用できる設計
  • 週一回の定例ミーティング — トンマナに対する認識を共有し、プロジェクト全体の質を高める密なコミュニケーション
  • カスタマイズされた運用マニュアル — トンマナを長期的に維持するための詳細な「WordPress運用説明書」の提供

まとめ:トンマナ設計がもたらすブランド価値向上

適切なトンマナ設計は、単なる見た目の統一にとどまらず、ブランドの一貫性を通じて顧客体験を向上させ、結果として企業価値の向上につながります。

トンマナ設計のポイントをおさらいしましょう:

  • ビジュアル、言語、インタラクション、コンテンツ、実装の5要素を統一
  • ブランド戦略を基盤とした設計アプローチ
  • 運用しやすさを考慮したルール設定
  • 継続的な改善サイクルの構築

「型にはまらない洗練されたデザイン」と「専門知識不要の簡単更新」の両立は、経験豊富なパートナーの支援があってこそ実現できるものです。

WordPressサイトの制作や運用でお悩みでしたら、linedot design(ラインドットデザイン)にお気軽にご相談ください。貴社のニーズに合わせた最適なWeb制作プランをご提案いたします。 お問い合わせはこちら:https://linedot-design.com/contact/

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